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49．Orient Traveler Alarm |
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今回紹介するのはオリエントの「トラベラアラーム」。そうトラベルアラームではなく、トラベラアラームとカタカナ表記される。１９７０年代製と思われるもののNOS（New Old Stock）品だ。 |
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オリエントはご存知のようにセイコー、シチズンに継ぐ第三の国内時計メーカー。吉田時計店から東洋時計、そして１９５１年オリエント時計（株）と社名を変更、現在はセイコーエプソンの１００％子会社になっている。オリエントの時計を見かけることは少なくなったが、今でもちゃんと腕時計を作っている。 この時計はコンパクトに収納できる旅行用の目覚まし時計だ。６０年代〜７０年代前半には、この手のタイプはオリエントに限らず、類似商品が非常に多かった。きまま仙人の実家にも、小さいときに同じような時計がひとつあって、この時計を見ていると懐かしさがある。その時計はおそらく廃棄されてしまったのだろう。もう実家には残っていない。他にも人にあげてしまったが、リズム時計製のものも一時保有していた。 |
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安価でコンパクトなクオーツ製のアラーム時計もいくらでもあるし、携帯電話にもアラームの機能はある。腕時計の場合はコレクターも多いし、今でも結構人気があるが、この手の旅行用目覚まし時計は、いかにも昭和の古い道具という感じで、数も多いし、今でも当時よりも値段が安い。だがレトロ感や懐かしさは十分ある。 この時計は０石（No(0)JEWEL）、つまり軸受けの石（人工ルビーなど）がひとつも使われていない。完全な廉価品といっていいと思う。もちろん腕時計と比較はかわいそうだが、作りもちゃちい。さすがにNOSだけあって、ムーブメントも保存状態は悪くないが、残念ながら機械にも取説や箱にもムーブメントの型番は記されていない。 |
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TOKYO TOKEI MFG. CO. JAPANと社名が入っているだけだ。東京時計（製造株式会社）は委託先、後に子会社化する。 振動数は４振動/秒、14,400振動/時。アラーム用のゼンマイを別に持っていて、２０秒強の時間、かなり大きな音がなる。上の写真の右はムーブメントカバー（ケース）をはずした状態、左がカバーの付いた状態だが、ムーブメントからハンマーが横に出て、カバー側面内側をたたいて音を鳴らす。 |
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 ムーブは東京時計製造 |
 軸受石もCal.No.表示も無い |
 飛び出しているアラーム用ハンマー |
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ＮＯＳなので、紙箱、取説付き。風防には定価のシールも貼られたままだ。定価は２，２００円。きまま仙人は５年位前にヤフオクで半額、送料を入れても１，６００円という安価で手に入れた。NOSでもこの値段。こういうものは本当に値段が付きにくい。 ケースは鮮やかな真っ赤で、女性用と思える。旅行用としてであれば、No.24で紹介したChandlerアラームのような腕時計のムーブを使った小型の方がいいはずだが、腕時計のアラームムーブだと値段的にこんなに安くはできないのだろう。 昭和３０〜４０年代を思い出させてくれる一品だと思う。 |