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42．Gallet Chronograph |
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今回はGallet（ギャレット）のクロノグラフを紹介したい。例によってヤフオクで競り落とした１本だ。安くていいValjoux7733の出物があったらひとつ欲しいと思っていたので、たびたびビットしてはいた。この１本はＧａｌｌｅｔであることや、７０年代らしいデザインということでビットしたところ、この手のものはたまにほとんど競合なく落札できることがある。ムーブの資料としてもすこぶる安価で落札できた。 きまま仙人はヤフオクやe-bayは結構チェックしている。購入した時計もそこそこの数になっているが、ビットはしたものの落札できなかったものは、その数倍はある。もちろん実物を見ないで、写真とコメント、評価だけで入札するのでリスクはあるが、結構いい買い物が多いと思っている。 |
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まずGalletというブランドは、クロノグラフメーカーとしては非常に人気のブランドだ。バルジューやヴィーナス、ランデロン、エクセルシオパークなどのエボーシュのムーブメントを使って時計の製造販売をしていた。中でもフライングオフィサーというモデルは、第二次世界大戦時に米軍に納入されていたことで有名である。そのためかミリタリーファンに人気が高い。元々Gallet家は宝飾関係の仕事をしていたようですが、ブランドとしての創業は１８２６年とされている古いブランドです。残念ながら現在どういう状態なのかはよく知りません。（現在もGalletというブランドはあるようです。が、当時の会社との関係を含め、きまま仙人には不明点が多いので記述を控えます。） |
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この時計はデザインが７０年代らしく、非常に面白いと思います。ラグまで一体化されたラウンドケースの曲線もいいですし、積算計のカラーリングやカウントダウン目盛りも７０年らしさが出ていると思います。そしてオレンジ色のクロノグラフ針が黒文字盤にアクセントになっています。視認性も非常にいい文字盤、針です。 |
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ムーブメントはバルジュー7733（Valjoux7733）。Venus 210/188 の流れを汲み、 Venus188（=Valjoux7730）を簡略化したものが7733です。そしてValjoux7740（自動巻クロノグラフCal.11の流れを汲む）とともに、ETA 7750 の元となったと言っていいカム式クロノグラフ（手巻き）です。６振動/秒（21,600振動/時） 、１７石。（※通常の7733は５振動が多いのですが、この時計は６振動） ひと目でそれとわかるＶ字型（ハート型）のブリッジとリセットハンマーの曲がりが特徴です。バルジューのＲマークの刻印もしっかり確認できます。カム式であることもそうですが、仕上げなどを見てもけっして高級品ではありません（というより完全に普及機です。）。また数もかなり作られていたようで、ヤフオクやアンティーク市場でも比較的安価でよく見かけます。が、有名ブランドのクロノグラフに使われていることもあります。 |
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このバルジュー7733は、１９７４年生産設備ともどもロシアにライセンスされ、ポレオット3133（Poljot 3133） ２３石として生まれ変わり、現在も製造され続けています。一方スイスでは、Valjoux7733系は１９７８年に生産が終了しています。Poljot 3133もひとつ欲しいとは思っているのですが、なかなか機会がなく手元にはありません。当たり前ですが、見ると刻印以外はそっくりです。７０年代までに製造されていたクロノグラフのムーブメントは、そのほとんどがETA7750に集約され、現在も生き残って生産されているのは、ロシアで作られているPoljot 3133（Valjoux7733/7734）と中国シーガル社に売却されたVenus175くらいではないでしょうか？
ネジ込み式裏蓋、耐震機構付きなので、ときどき使っています。年代に相応の傷や劣化はありますが、腕にはめると楽しくなってくるような１本です。 |